日本は、組織とか、組織に対する忠誠は個人より優先される社会です。
これに対して、アメリカは、組織への忠誠より個人の自由が尊重される
社会です。
こうした違いが、英文を作るときにも出てきます。
何が違うかというと、文の主語にその違いが出てくるのです。
■例1:わが社は
日本の会社員は、よく「全社一丸となって」とか「うちの会社は」など
のように言うことが多いです。
自分よりも会社を表に出す傾向があります。
しかし、その発想をそのまま英語にしようとすると、おかしな表現にな
ることがあります。
例えば、「我が社では、1日8時間労働です」という文章を、考えてみ
てください。そのまま英語にすれば、次のようになります。
Our company makes us work eight hours a day.
アメリカでは、my company や our company よりは、I や we の方に
価値感があるので、それが主語となって文章の前に出てくるのです。
I work eight hours a day in our company.
■例2:悲観するにはおよばない
「自分の好きな仕事につけなかったからといって、悲観するにはおよば
ない」という文を訳す場合、
日本人は一般論ととらえ、主語は「you」や「we」を使う場合が多いです。
しかしアメリカ人は、こういった場合は自分のこととしてとらえ、主語
は「I」を使うというのです。
こういう発想の違いというものは、直接的に目には見えてこないので、
なかなか訳しにくいところになります。
よく注意する必要がありますね。