日本人が英語を話せないのは、語彙の不足が原因ではありません。
本当の原因は、知識を「蓄えただけ」になっているからです。
意味は知っているけれど、使えないからですね。
言い方を変えると、ネイティブのような完璧な英語を目指していたため、
不完全だと思っている自分の英語は、使うことができなかったという言
い方になるかも知れません。
しかしグロービッシュ英語には、
「自分が非ネイティブだと自覚し、英語との向き合い方を変えれば良い」
と書いています。
意志疎通のツールなので「通じれば十分!」というように、気楽に向き
合うということ。そうすれば「英語を話せる人になれる」と。
そして「知っているだけの単語」を、どんどん「使える単語」にしてい
くことが大事だということ。
■■覚えるのは1500語で良い
それではどれだけの単語を覚えていたら良いのでしょうか?
目安はどれくらい?
グロービッシュの基準は「1500語」です。
1500語を覚えていて、そしてそれを拡張して使うやり方を知ってい
れば、自分の伝えたいことをスムーズに英語で表現できるようになると。
1500語という数なら、ほとんどの日本人は中学・高校での英語学習
で習っており、すでに話すために十分な単語を知っていることになりま
す。
従ってまずやるべきことは、この1500語を復習し「使える状態」に
もっていくことだということですね。
■■細かいニュアンスにこだわらない
日本語は微妙にニュアンスが違う状態を、言い分けることができます。
そしてそのことに慣れ親しんでいるがために、「のびのび話す」ことの
障害になっている部分があります。
例えば「人生は甘くない」と言う場合、あなたはどのように言いますか?
簡単そうな文ですが、何となく考え込んでしまうのでは?
「甘くないってどう言うんだろう?」・・と。
普通に考えるとむずかしく考えてしまいそうになります。
しかしグロービッシュでは、まずその「感情の状態」をイメージして、
そこから簡単に言える方法を引き出すと書いています。
すると、
1)「人生は甘くないよ」-> 「甘くない ⇒ 簡単ではない」
2)「甘い」を言い換えて「簡単」、そこから「easy」を引き出す
3)「 Life is not easy. 」という文を導き出す
これでOKです。
ネイティブにもしっかりと通じます。
注意するポイント:
「easy = 簡単」というように、英語と日本語を1対1で固定化して覚
えるようなやり方をしていると、上の例のような発想ができなくなりま
す。
英語と日本語の意味を固定化して覚えるのではなく、イメージとしてと
らえるようにすることで、より簡単な知っている言い方に転換できるよ
うになります。
日本語をその通り英語に訳そうとすると、膨大な数の単語が必要になり
ます。その逆も同じです。そのような方向で勉強をしていたのでは、
本当にきりがない状態となります。
「まずは、表現したい状態になるべく近い単語を思い浮かべる」
ということを意識しましょう!
もう一つの例:
「楽しい」「うれしい」です。
何となく似ていますが、厳密には微妙にニュアンスが違います。
ですがこれを英語で言うと、グロービッシュでは、どちらも「happy」
でOKと。
・デートで「楽しい」ときも I'm happy.
・プレゼントもらい「うれしい」ときも I'm happy.
わたしたち非ネイティブは、日本語のように細かいニュアンスを無理
に使い分ける必要はないということです。
大切なのは「話すこと」。
とにかく表現できることが大事だということです。