日本語を普通に訳してしまい、間違った表現で言ってしまうことがあります。
■間違った言い方の例
例えば、次のような日本文があります。
「彼は元気ではないと思う」
これを英文にすると、どう言うでしょうか?
I think he is not well.
このように言ってしまうことがありますよね。
これは英語を話す人間にとっては、かなり奇妙な表現に聞こえるようです。
普通は言わない表現のようです。
「彼が元気でない」か「元気である」のかは、わたしは推測はできたとして
も、はっきりと断定ができることではないのです。
このような場合には、次のように表現するのが普通のようです。
I don't think he is well.
■自分の判断を先に
まずは自分の判断を優先させて、
「わたしは思わない、彼が元気だと」
というように言うのです。
もしもこの逆だったら、
「わたしは思う、彼が元気だと」
I think he is well. となります。
つまり、まずは自分のことで、はっきり言う必要があるということです。
自分は「思う」のか「思わない」のかを、きっちり先に断定して言うべきだ
ということです。自分のことなのですから、明確に断定できるわけですね。
彼の状態に対するわたしの意見は、
I think ~
と
I don't think ~
の2つしかないのです。
否定や肯定をしなければならないのは、わたしの意見の部分についてだと言
うことです。
■日本語の会話の場合
日本語の会話では、「…が良くないと思う」とか、「…が良いと思う」とい
う言い方をするので、ついその形をそのまま英文に持ってきてしまいがちで
す。
しかし、それでは英語としておかしな言い方になるのです。
このことは think だけに限らず、話し手の判断や思考を示す動詞の全てに
言えることです。
■2つの例
例を挙げると、
「あの人は、フランス語は話せないと思う」
という場合は、次のようになります。
I don't think he can speak French.
わたしは思わない、彼がフランス語を話せると
次のようには、言わないのです。
I think he can't speak French.
わたしは思う、彼はフランス語が話せないと
ここでもう一つの例です。
「わたしは彼が元気ではない、とは思わない」
という場合は、どうでしょうか。
これは、
I don't think he is not well.
と言うでしょうか?
この文は文法的には間違っていませんが、英語としてはどこかおかしな感じ
になります。
こういった文は、すっきりともとの否定形を肯定形に変えて、
I think he is well.
と言ったほうが、ずっと明確でわかり易いですね!