2012年12月11日火曜日

否定形でシンプルな言い方をする

英語であることを言う場合、肯定形の文で言うこともできますし、反意語
を使って否定形の文で言うこともできます。

そのときの状況によりますが、否定形で言った方がシンプルな英文となる
ケースが多々あり、覚えておくとむずかしい文を簡単に話せるようになる
ことがあります。

今日は、その例について説明します。
日本語の肯定文を英語の否定に代える場合を考えてみます。

今から挙げる日本文を、瞬間的に英文に言い換えてみてください。
よろしいですか?
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 「わたしは一人っ子です」
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いかがでしたか? サッといえましたか。


■例1:「一人っ子」
これを通常の英語で言うと、次のようになります。
  I am the only child.

しかし、普通の日本人には、「一人っ子」が the only child であるとは
なかなか思い浮かびません。

そこで、「一人っ子」をどう言い換えて、相手にわかるように伝えるかで
す。

このようなケースのときに、言い換えて言えるか、あるいは言えないかが、
その人の会話力のレベルを示す尺度の一つになります。

その対応方法の一つが、「肯定を否定に書き換える」というやり方になり
ます。

  「つまり、逆にいってみたらどうなるかを考えてみるのです」

そう考えてみると、「一人っ子」は「兄弟がいない」ということだと気が
つきます。そうすれば今の英語は、次のように言い換えられます。

  I have no brothers or sisters.

随分、わかり易くなりましたね。

最初に「一人っ子」などという言葉に囚われたため、迷ってしまったわけ
です。最初から男の兄弟も女の兄弟(姉妹)もいないと考えれば、とくに
迷わずに言えたのではないでしょうか。

会話の中では、結構最初に思いついた日本語の表現に惑わされることがあ
ります。そういう場合は、このように頭を働かせて違う角度から言うよう
にすることが、一つのコツになります。

ちなみに、sisters を加えたのは、日本語では兄弟という表現に女性も含
まれる場合がありますが、英語では brothers は男性に限られているから
です。

ですから、姉妹を表す sisters を加えたわけです。細かいことですが、
こういったことを忘れると、思わぬ誤解が生じることもありますので、
注意した方が良いでしょう。


■例2:「平気な顔」
少々とっつきにくいかもしれませんが、英語の否定形の慣用的表現に、
面白い例がありました。

ある小説に、
  「あなたは、平気な顔をしていればいいわ」
という文がありました。

「平気な顔」という表現を、英語で言うとどう訳すでしょうか?

これも一瞬考え込んでしまいますよね。
このようなケースは、本当に何度も出くわします。

その小説では

  You can pretend that nothing is wrong.

あなたは振りをすることができる/何もない(悪くない)・・です。

「平気な顔をしていればいい」というのを、
「悪いことは何もないふりをしていろ」と、

否定表現の Nothing is wrong. を使って、うまく表しているわけです。

これは「平気な顔」というのが英語にしにくかったので、あえて否定形を
使った例になると思います。

このように、肯定形でむずかしい表現になりそうな場合、逆の否定形にし
て文を考えてみるというのも、うまい英訳の一つの方法なのです。