2012年11月6日火曜日

◆どうしても聞き取れない単語を聞き取るには・・

英語のリスニングをしていて、どうしてもわからない語句が出てくることが
あります。どう集中して聞いても、わかりません。

なぜ聞き取れないのでしょうか?

自分ではある程度のリスニング力があると思っていて、通常の会話では
ほとんど聞き逃すことはありません。

しかし、ネイティブの会話を聞いたときに、ときおりそのような語句が出て
くるのです。


■聞き取れない理由
それは聞き取れなくて普通なのです。なぜなら単語が変化して、自分の
知らない単語(発音)のようになっているのですから。

ケースは2つあります。

一つは、2つの語句がくっついて発音されることにより、一定の法則に従
って違う別の単語のように発音されるもの。


そしてもう一つは、定冠詞などと語句がくっつくことで、語頭の一部が省略
されて発音されるもの。結果として、別の単語のように聞こえるものです。

まあ、パターンとしてはどちらも別の単語のように聞こえてしまうもので、
同じなのですが。

この2つは、そうなるルールというか法則性を知り、数をこなすことにより、
聞き取れるようになっていくものです。

その法則を知らないと、正確に聞き取ることはかなりむずかしくなります。
非ネイティブでは、聞き取れなくて普通だと思います。

今日は語句の一部(語頭)が省略されるケースについて、書きます。


■省略される例
明治時代の人は、アメリカ人のことを「メリケン」と言っていました。
当時の日本人にとっては、アメリカ人が自分のことを、
  I'm an American.

といったときのアメリカンの「ア」が前の音とつながって落ちて(省略されたよ
うになり)、「メリカン」のように聞こえたからでしょう。

それがさらに「メリケン」と、日本語に移し替えられたのだと思われます。
その名ごりは、「メリケン粉」や「メリケン波止場」などの言い回しにしのばれ
ます。

このように、アメリカンを知っていれば、そこから「メリケン」の由来を推測す
るのは、そんなにむずかしいことではありません。

しかしながら、逆に「メリケン」に近い発音からアメリカンを思い浮かべるの
は、英語を聞き慣れない人にとっては、それほど簡単ではありません。


■ほかの例
日本の学校英語は、どうしても「読む」ことが中心なので、文字が主体にな
っています。そのため、英語を聞くときも単語の発音をスペリングの形で思
い浮かべようとします。

英語では、先のアメリカンが「メリケン」と聞こえたように、語頭の a はほと
んど聞こえないことが多いのです。

例えば、above は「バブ」、appeal は「ピール」、officialは「フィシャル」
のように聞こえます。

同じように発音記号(i)も、まず聞こえません。

enough は「ナフ」に聞こえます。だから、聴いていてわからない単語があっ
たら、語頭に母音を付加してみるのも一つの手だと言えるでしょう。

日本人の中には、(a) は「ア」、(i) は「イ」と思い込んでいる人が多いですね。

これは、1文字1音の日本語の音から来るものなのでしょう。
実際この二つの音が発音されたとき、日本人の耳には、ほぼ同じように聞
こえるのです。

それに、語尾に d や g 、t などがくる場合、英語を母国語としている人たち
は、はっきり発音しないこともよくあります。


■英語放送が聞き取れない理由
英語放送がわからないのは、このように省略される文字や短い単語が多い
せいでもあるわけです。

こうした応答を間違えずに聞こうとするには、絶えずいろいろな種類の英語
に耳を鳴らす必要があるのです。