2012年11月23日金曜日

スピーキングを意識したリピーティングのやり方

最近、応用力を意識したリピーティングのやり方をやっていると書きましたが、
少しわかりにくかったと思いますので、具体的な例を挙げて説明したいと思います。


■今週やっている話題
現在、やっている話題は、ロシアのサンクトペテルブルクにあるエカテリーナ宮殿
のことが書かれた話となっています。

その英文は次の通りです。

The Catherine Palace is located near the city of St. Petersburg, Russia.
It wa completed in 1756.
More than 100 kilograms of gold were used to decorate the building, and many beautiful statues were placed on the roof.
Until the beginning of the 20th century, the palace was used as a summer home by the Russian royal family.
Now, it is a major tourist attraction.

1)エカテリーナ宮殿は、ロシアのサンクトペテルブルク市の近くにある。
2)それは1756年に完成された。
3)建物を装飾するために、100キロ以上もの金が使われ、
4)多くの美しい像が屋根の上に配置されている。
5)20世紀初頭まで、宮殿はロシア王室に夏の別荘として使われていた。
6)現在は主要な観光名所となっている。


■1:まずはリスニング
最初は何度もリスニングして、意味をしっかりと把握します。
むずかしい文章はあまりないので、内容の把握はさほどむずかしくはないのですが、
ここで聞き取りにくかったのは、次の部分でした。

Catherine Palace
    こういう類の固有名詞は、意味のある何かの単語なのか固有名詞なのかが最初
    はわからないケースが多い。2~3回目に Palace が聞き取れたため、どこかの
  宮殿なんだな・・とわかりました。

were used to
    ネイティブの発音が悪いと言いたいけど(そうではないはず)、このようなス
  ペルではなく、reused と聞こえて、なぜ?・・となってしまった。

were placed on
    これも上と同じで、replaced と、最初は聞こえました。よくよく聞くとわか
    たのですが。

the Russian royal family
  なぜかはわからないが、最初は royal family が oil family と聞こえた。
  palace の単語があるので、royal だろうと軌道修正し、意味を納得。

・a major tourist attraction
    これがよく起こるリエゾン(リンキング)の部分です。
    tourist attraction が「ツアリスト・アトラクション」ではなく、「ツアリスト・トラクション」
    と聞こえました。「アトラクション」ではなく「トラクション」。催し物ではなく牽引力。

    何となく意味が通るので、最初は間違えてしまいました。しかし、やはり意味が少
    しおかしいと思いつつ、子音のあとの母音が消えているのではと考えながら聞い
    ていたら、 attraction に思い至りました。

★このようにリエゾンの問題は、実際にその部分に何度も突き当たり、耳と頭で理解
   してそれを蓄積していくと、素早く正しく聞き取れるようになるのだと思います。


■2:原文リストと比較、音読
発音が不明確だったり、リエゾンのために聞き取りにくい部分について、原文リス
トと照合させて内容をよく理解。そして、リストを見ながら音読をしっかり繰り返
します。


■3:シャドーイング、リピーティング
適当な意味のかたまりごとにポーズのはいった音声データ(CD)を使いながら、
シャドーイングをやって、さらにリピーティングを繰り返します。

・このときに文をしっかりと暗記
    日本語訳文の先頭の数字のように各文に番号をつけて、それぞれを覚えます。
  全部で6つの文の集まりだとわかり、何番目かを意識して覚えます。すると、
    6番目は・・すぐに Now, it is a major … と引き出せるようになります。

  そしてここがポイントですが、
    実はそれらの文章をしっかり間違えずに覚えること・・はあまりこだわって
    いません。

・次のような要素を、しっかりと頭にインプットするようにしています。

    -- is located near --           (場所に)ある/位置する
    -- was completed in --           に完成された
    until the beginning of the 20th century  20世紀初頭まで
    by [the Rossian royal family]       ~によって
    as [a summer home]             ~として

 ここにはありませんが、
    when --- するとき、 while --- する間、 during --- の期間に
    after ---- のあとで、 before --- の前に ・・・・

  などのような補足表現を、しっかりと使えるようにすることは、話の幅を広
  げる上でとても大事なことだと思っています。

 他に、単語の復習も。
    decorate          装飾する
    major tourist attraction  主要な観光名所

  つまり上に挙げた要素(単語)は、すぐに自分の表現として使えるよう、
  しっかり意識して、強くインプットするということですね。


■4:主語/名詞入れ替えトレーニング
最後に主語の入れ替え、そして目的語の名詞を自分に関する単語に入れ替えて、
それぞれの文章をリピーティングします。

The Catherine Palace is located near → My home is located in
by the Russian royal family → by the relatives of my wife
         ・
         ・

以上の内容を短時間でやるときつくて続かないので、ゆったりと気楽に1週間を
かけてやっています。


※使っている下記教材より引用させていただきました。:
    音読パッケージ(初級編) 及び (中級編)ペレ出版、森沢洋介著