前回の記事で説明力をアップさせるために、ある「英英辞書」を
お手本にしていると書きました。
その辞書とは、「ロングマンの英英辞典」です。
いろいろな英英辞典を調べましたが、
わたしはこの「ロングマン英英辞典」が好きです。
ロングマンの英英辞典は、正式な書名を
「Longman Dictionary of Contemporary English」
と言います。
1978年に発売され、1987年に改訂された辞書です。
収録されている単語は5万5000語ですが、
最大の特徴は、
・言葉の意味を説明するのに
たった2000語の基本語しか使っていないこと
です。
2000語といえば、高校の3年までに覚える必修単語の数です。
従って、高校終了程度の英語力があれば、この辞書に書いてある説明
はほとんど全てが読みこなせることになります。
また、写真のように2色刷りで、各所に説明用の絵がふんだんに挿入さ
れているため、とてもわかり易く見やすいです。
さらには、英語を母国語としない人が陥りやすい盲点について、丁寧に
説明されています。
例えば、
bive, get, have, make など、日頃会話ではよく使われる動詞のさまざ
まな言い回しが、実際の用例つきで解説してあります。
そして、give+前置詞、get+前置詞などの使い方もわかりやすく説明
してあります。
活用のやり方:
さて、ロングマン英英辞典の説明はこれくらいにして、説明力をアップ
させるために、どのようにしてこの辞書を活用しているかです。
闇雲に毎日英英辞典を引っ張り出して、机の上で眺めて勉強している
わけではありません。
そんなやり方をしていたら、あっという間に飽きてしまい、続かなくなり
ますので。
流れとしては、次の通りにやっています。
1)オンラインレッスンで出てこない単語があったとき、
2)それなりに自分で考えて相手に説明するようトライ
→ものであればその特徴(形、大きさ、数、色、味、臭い・・など)
において、相手が間違いなくわかっているようなところを中心に
→動詞などであればその場面、その動きや働きについて
説明するというところでしょうか。
→少ない説明でうまくできたとき、なかなかわかってもらえず多くの
説明が必要だったときがあります。
3)レッスンが終わってから、その語をロングマンで調べる
4)自分の説明のポイントとロングマンの説明のポイントを比べる
5)効率よく説明するための、ポイントを理解する
例をあげると、
1)例えばレッスンで「心臓」という単語が出てこなかったとします。
2)自分では、(例えばですが)
・誰でも一つだけ持っている
・一番大事な内臓で、問題があると死ぬ
・体の中にある
・血液が出入りする
などのキーワードを思い浮かべ、あれこれ説明します。
うまくいくときも、うまくいかずに辞書で調べてからその単語を使っ
て説明するときもあります。
3)あとでロングマンで調べます。
the organ inside your chest that pumps blood around your body:
Tom could feel his heart beating faster.<例文>
ここでは3つのキーワードを使い、2つの文で説明されています。
・3つのキーワード
「organ:臓器、器官」、「chest:胸」、「pumps blood:血を送り込む」
・2つの文
the organ inside your chest
it(=that) pumps blood around your body
・ここでの説明で見習うべき部分
①心臓を説明するのに、すぐにそれと想像し、絞り込めるような順で
説明を組み立てている。
organ → 心臓の「所属するグループ」を表す言葉
chest → 心臓の「ある場所」を表す言葉
pumps blood → 心臓の「役目、機能」を表す言葉
②心臓に繋がるような、すぐに想像されるような単語を選んで使って
いること。これは①の説明方式を選択すると自動的にこうなるよう
です。
まとめると、
・相手が容易に絞り込めるようその単語が所属する「ある範囲」を示す
・その範囲の「どの部分」なのか、スポットの情報を示す
・その単語の「機能、特徴」を示す
となると思います。
例題:
もしも「バナナ」を説明するとしたら、
①所属するグループ → 南国の果物
②ある場所 → 細長く黄色い皮
③機能、特徴 → あまくておいしい、サルがとても好き
とわたしは説明するような気がします。