2012年10月28日日曜日

◆初心者でも聞けるVOAスペシャルイングリッシュ

今日は初心者でも聞き取れるVOAのスペシャルイングリッシュという番組を、
紹介したいと思います。

2012年10月17日水曜日の記事、英語耳作るために大事な10のキーポイント
では、英語ニュースをBGMに聞くのが良いと紹介しました。

しかし、BGMで早い英語に慣れるためには良いのですが、内容を理解するに
は、少し重たいかも知れません。

本来は、英米人向けのものなので、よほど聞き取りに自信のある人でなければ、
内容を全て理解するのはむずかしいでしょう。

せっかく英語を”聴いて”モノにしようとしても、途中で挫折して自信をなくし
てしまったのでは、かえって逆効果になってしまいます。

話すスピードは早いし、知らない言葉が出てくるしで、初心者には少し荷が重い
と思います。


■初心者にもわかりやすい英語番組
そこで、初心者にもわかりやすい英語で話してくれる番組はないだろうかと考え、
いろいろと探してみたところ、とても良い番組がありました。

それは、VOA(Voice of America)のホームページにある「スペシャル・イングリ
ッシュ」です。

この「スペシャルイングリッシュ」という番組は、VOAのいくつもある番組の中で
も、特に英語を母国語としない人たちのために作られた番組です。

ですから、英語を聞きなれない人達のために、様々な配慮がされています。

日本人が英語を聞く上で最大のウィークポイントは、スピードと語彙の範囲だと
思います。


■英語不慣れな人たちへの配慮
その点、このスペシャル・イングリッシュでは、初心者向けに話すスピードを
不自然にならない範囲で落としています。

普通の英米人の話すスピードは、1分間に150語くらいと言われています。
それに対してこのスペシャル・イングリッシュでは、1分間に100語程度のスピー
ドになっています。

また、使用する語彙の範囲も、基本語としては1400語と極めて少なくなっていま
す。

中学生で1100語を学習するのですから、高一レベルの語彙があれば十分に聞
けると言うことになります。

まずは一度、じっくり聞いてみてください!

・VOA(Voice of America)http://learningenglish.voanews.com/


・スペシャル・イングリッシュのメニュー


・スペシャル・イングリッシュのニュース動画



2012年10月24日水曜日

◆英語NEWSをBGMにして潜在意識を調教

わたしは英語耳を早く作るためには、英語を聞くことに慣れる必要があると
思っています。

リスニングして内容を理解するということではなくて、「英語をただ聞くことに
慣れる」です。

実は、もちろんただ聞くだけというわけではなく、潜在意識に聞かせるという
ことです。

したがって意識して意味を翻訳して聞くということではなく、自然体の状態で
「音を聞くこと」に慣れる・・です。

意味はわからなくても、いいと思っています。表面意識ではなく潜在意識に
聞かせて慣れさせたいのです。

そうすればきっと英語を聞きやすい、あるいは咀嚼しやすい英語体質がで
きるのではないかと思っています。


■不思議な体験
昔、娘が小学5年の時、夜の就寝時に必ず英語教材のCDを聞いて寝るよ
うにしていたことがあります。

そのころは娘がまだ小さかったので、いつも一緒に同じ布団で寝ていました。
そしてその時に、ある不思議な体験をしたのです。

わたしが12時頃寝ようとすると、寝ていた娘が突然、声を出して話し始めま
した。よく聞いてみると英語です。

本当にネイティブと思われるような発音で、英文をスラスラと読み上げている
のです。本当にびっくりしました!

まさかと思って本人を見てみると、やはり寝ているようでした。

いつも寝るときにCDをかけて寝るのですが、本人が寝てしまったら自動的
に電源がOFFになるよう、スリープタイマーをセットしていました。

そしてそのときは、すでにタイマーが作動してCDは止まっていました。

ですからそのネイティブのような発音で英文を読みあげているのは、間違い
なく娘なのでした。

毎日毎日寝るときに英語のCDを聞くことにより、寝る瞬間の半ば無意識の
ような状態のとき、潜在意識に強く記憶されていて、いまそれが出てきたの
だと思いました。

この体験はすごくショッキングで印象的なものだったので、そのとき以来、
人間の潜在意識というものはすごいし、何か知らない活用の仕方があるの
だと思うようになりました。

そして、寝るときに英語のCDを聞き続けていた娘は、中学にいってからは
英語の成績は抜群でした。英語大好き人間になっていたので。


■わたしのリスニング練習
英語耳を作る上では、表面側でしっかりリスニング練習をしてレベルアップ
していくことと、あまり意識しないで潜在意識に英語を聞かせてなじませて
いくのが、大きな効果につながると考えています。

それでわたしは、現在まで次の3つのトレーニングを続けてきています。

一つは「朝のウォーキングのとき、SIM英語をリスニング(ヒアリング)」
二つ目は、「通勤途上の車の中でリピーティング」。
三つ目は、「夜、自宅で英語ニュースをBGMにしてヒアリング」。

本当は夜の寝るときに、娘と同じように英語CDをスリープタイマーをセッ
トして聞こうとしたのですが、カミさんからNGの要望があり断念しました。

SIM英語では150%の速度でskip(フレーズ間に空白が少し挿入されて
いる)をリスニングし、通勤ではリピーティングをやったり Pimsluer 英語
をやったりしています。

いずれも机に向かってまじめに勉強(リスニング)というやり方ではなく、
できるだけすき間時間を利用して何かをしながらやるというのが、わたし
のリスニング勉強のスタンスです。


■英語ニュースをBGM・・の効果
自分の部屋で潜在意識を意識して、英語ニュースをBGMにしてかけ続け
ていると、もしかして効果があるのでは・・と思えることがときどきあります。

ときどき知らない単語(音)がフッと頭の中に浮かんできて、あっこれは知
らない単語だ・・と気がつき、そのときにその単語を勉強して覚えるように
しています。

記憶に強く残すためとあとで復習ができるように、日時とその単語、および
調べたことを一緒にメモするようにしています。

自分で使いこなせるボキャブラリが増えていくと、おのずとリスニング力が
アップしていきますので。

なおBGMは英語ニュースではなくて、自分の好きなもので良いと思います。
とにかく英語環境を作り、どっぷり浸って潜在意識を調教です。

聞いているようで聞いていない、聞いていないようで聞いているですね。


2012年10月20日土曜日

◆意味はフレーズ単位で捉えるようにする

前回、まずは英語耳を作るために大事なポイントということで、10の重要
なポイント(だけ)をご紹介しました。

まだ詳細については書いていなかったので、引き続き説明していきたいと
思います。


■意味を捉えていく単位について
英語耳を作っていく訓練をする上で、とても大事なことがあります。
それは何かというと、意味を理解していくためのかたまりを、どうするかと
いうことです。

ある英語をリスニングするときに、単語単位で意味を理解していくのか、
それとも一気に全文を翻訳していくのかということです。

結論からいうと、わたしはある適当な長さのフレーズ単位で、意味を捉える
ようにしています。

例をあげます。

たとえば次のような文があるとします。

・ It is easy for me to drive a car.
  わたしには車を運転することはやさしいです。

この文章をどうやって理解していくかというと、次のように3つのパートに
分け、そしてその語順で意味を理解していくというふうにしています。

3つというのがポイントではなく、ある適当な意味のあるかたまりごとに、
というのがポイントです。

・ It is easy / for me / to drive a car.

英文をリスニングしているときに、各パートごとに瞬時にその意味を理解
していきます。

理解するというのは「日本語に翻訳する」ではなく「 意味を認識する 」と
いう感じです。

言い換えると、「 意味をイメージする 」というふうにも言えますね。

・ It is easy    / for me     / to drive a car.
   ↓             ↓              ↓
  それはやさしい / わたしにとって / 車を運転することは


■意味を掴む上で大事なこと
ここで大事なことがひとつあります。(自分で思っているだけですが)
意味を日本語に翻訳すれば、はっきりクリアに意味を理解できます。

しかし翻訳しないようにして、意味をイメージする(=感じる)というだけだ
と、クリアではないアバウトな感じでの理解になります。

少しもどかしく感じると思いますが、わたしはこの感覚に慣れていく必要
があると思っています。

それはなぜかというと、相手の速いトークスピードについていき、同じスピ
ードで理解をしていくためです。

いちいちクリアに理解して・・とやっていると、まったく相手のスピードには
ついていけません。

そしていずれは、あまりにも遅れてしまい、まったく意味が掴めない状態
になってしまいます。

最初はそのアバウトさがもどかしく感じられるのですが、何度もそのフレ
ーズを聞いているうちに、かなりクリアに認識できるようになってきます。

繰り返しですね。

前に書いたように、「グッドモーニング」は翻訳せずにクリアに意味が理解
できる・・ということと同じです。


■語順の通りに理解
それからもうひとつ意識したことがあります。
何かというと、 英語の語順で理解していく ということです。

日本語の語順に直してやらないと、やはりアバウトな理解となり少しもどか
しい気がしたものです。

しかし、これも相手の速度についていくため、および大事な順に理解して
いくという観点から、慣れていく必要があるのです。

わたしは東京SIM英語をやっていますが、そこでは anticipation(期待)
が重要・・と言っています。

つまり最初のフレーズ(多くの場合は主語と動詞)を聞いて、まずは一番
言いたいことを理解し、次に何がくるのか・・と期待して次のフレーズを聞
くことが大事だ・・というものです。

「なるほど!」と思いました。


今日はここまでです。
次は英語ニュースをBGMにしていることについて、書きたいと思います。

2012年10月17日水曜日

◆英語耳作るために大事な10のキーポイント

最近、すごい短期間で”英語耳”ができる・・と書いている広告が目につき
ますが、みなさんはそれを信じますか?

わたしの経験からいくと、それはかなり誇大化した広告のように思います。


■わたしの場合
わたしの場合は1年以上かかりました。ただし1年以上経ってから、突然
英語耳”ができて全てが聞き取れるようになったというわけではありません。

変化は徐々にでした。しかし続けてさえいたら、確実にリスニング力は上が
っていってたと覚えています。

どのように上がっていったかというと、翻訳せずに理解できる単語が増えて
いくにつれ、聞き取り力がアップしていったということです。

英語耳”ができたというより、だれでも翻訳せずに意味が理解できる
「グッドモーニング」「グッバイ」「ストップ」「スタート」
などのような単語が、どんどん増えていったと言うことです。

また、わたしはスラッシュリーディングというか、1つの文において、小さな
フレーズ単位で意味を掴み取るように心がけていました。

今はやりの言い方で言い直すと、英語の語順で理解することに慣れていっ
たことにより、やはり聞き取り力がアップしていきました。

ですからわたしの場合は、突然・・ではなく、徐々に・・と思っています。

振り返ってみると、3ヶ月単位くらいでアップしていったように思います。
CDの英語の音声を意味がわかるまで繰り返し聞く練習をしていて、繰り返
す回数がどんどん減っていきましたので。

つまり、少ない回数で意味が理解できるようになっていったということです。


■中国語のときの経験
英語の場合は以上のような感じで、聞き取り力が変化していきました。
しかし、中国語の場合は英語とは違っていました。

勉強を始めてから6ヶ月くらいのところで、突然中国人のスタッフが話す内
容がわかるようになり、びっくりしたことを覚えています。

ですが今考えなおしてみると、突然理解できるようになったというよりは、
理解できるようになっていることに「突然、気がついた」ということだった
かも知れません。


■取り組む期間
以上のことより、わたしは”英語耳”を作るのには、数日、数週間では無理。
数か月なら可能性はあるのではないかと思います。

英語耳”を作るためにやらなければならないことは、きっと同じだと思い
ますが、そのやり方はいろいろとあります。人それぞれで、自分に合ったや
り方で、取り組むべきだと思います。

続かないと意味がないですから。

わたしのやり方は、「隙間時間を使ってやる」が合言葉でした。
朝のウォーキング、通勤途上、夜にBGMで。この3つがわたしの勉強時間
でした。


■英語耳作るためのわたしのキーポイント10

・努力して聞くことは続かないし、続けることが”英語耳”を作る近道

・ゆえに英語音声をBGMとして、生活習慣の中に組み込む

・リラックスして自然体で聞くこと、興味引かれたところは集中して聴くこと

・続けるためには興味の湧くニュース。楽しいと思える話題を聞く

・わたしは日本のニュースを聞くのが好き。
        だから NHK WORLD RADIO JAPAN がベスト

・話せることは聞き取れる・・の法則を活かすため、音読とリピーティング
  を併用(別の教材でも可)

・最初は意味を掴まない。音声を聞き単語を意識して聞き取る

・次は主語だけを聞き取る

・さらに次は主語と動詞だけを聞き取る

・ここで初めて意味の理解にトライ
      主語と動詞の意味だけを理解。他は単に単語を認識(意味は意識せず)


ちょっと話が長くなりましたので、続きは次回ということで。


2012年10月14日日曜日

◆英語耳を作るリスニング訓練のやり方は

ここのところずっとスピーキングのコツを中心に、記事を書いてきました。
ここらでリスニングのやり方についても、整理してみたいと思います。

世間では英語が上達するためには、まず”英語耳”を作るべきとのことが言わ
れています。

わたし自身もかなりいろいろと取り組んで、ようやく”英語耳”ができてきたと
感じるようになりました。

リスニング力をつけるために、若くなくなってから取り組んできたことは、少し
は他の人に参考になるところもあると思いますので、書いていきます。


■わたしのやり方
わたしは自分の体験より、”英語耳”を作るためには英語環境を作ってそれに
どっぷり浸り、英語の音を体に染み込ませるのが良いと考えています。

つまり英語の単語が耳に入ってきたとき、始終努力して聴くのではなく、聞こえ
てきた音を自然に受け入れるような聞き方をすることです。

日本語では「聞く」と「聴く」では意味が違いますが、英語でも hearlisten
ははっきり使い分けられています。

ごく簡単に区別すれば、意識しないで受身的に聞くのが hear で、意識して積極
的に耳を傾けるのが listen です。

hear はリラックスした状態、listen は緊張した状態とも言えるでしょう。


■耳から英語をものにする
耳から英語をものにするには、まず英語を聴く機会を増やすことが大事だと思
います。

そのためには、毎日のフリータイムのときや、休日のときにCNNのテレビ放送
やFENをかけっ放しにして、BGMがわりに聞くのがいい方法です。

BGMですから、意識して聞くリスニングではなく、のんびり聞き流す hearing
でいいのです。

それでも、ちゃんと効果は上がるのですね。
むしろのんびり気楽に聞いて、耳を鳴らすことが大事なのです。

何度もやっていると、次第に英語のスピード感、リズム感に慣れてきます。
初心者の場合には、これが一番大切なことだと感じています。


■英語を聞くときのスタンス
一般に日本人は、英語の勉強をまじめに考えすぎるところがあります。

そのせいか、初心者にFENを聴くことを勧めたりすると、あたかも英語放送と
対決でもするような姿勢になり、すごく力んでしまいます。

ところがいつも神経を集中して "聴こう "とするとかえって疲れてしまい、わか
るものもわからなくなってしまいます。

英語放送を聞くときは、むしろリラックスして hear の状態で聞くようにして、
何かなと思ったところだけ、listen すればいいのです。

何かしながら英語ニュースをBGMで流しているときは、四六時中注意して聞
いているわけではありません。

おやっとひっかかるところや、面白いなと思ったところだけ、自然に listen
するのが良いのです。

リラックスして hearing、自然に listening

こういった部分集中型でのリスニングスタイルが、英語耳を作るのにとても
大事なのです。

2012年10月11日木曜日

◆シンプルに話すための他のやり方と例

今日も「シンプルに話す」そのやり方について、例を上げて考えてみました。


■ラジオの音を下げる
もしも隣のラジオがうるさくて、少し音を小さくして欲しいとき、皆さんはどう
言いますか?

Turn down the radio, please.

と言ったとします。

笑い話ではないのですが、この文の意味をそのまま素直に実行すると、棚の上
にあったラジオを下に降ろすことになったりします。

冗談ではありませんが、少し表現が違って取られることがあるので要注意です。

音を小さくするためには、ラジオのボリュームのつまみを反時計回りに回さない
といけませんが、その動作を英語では turn down と言います。

turn には、つまみを回すという意味があり、それを down つまり下に回すという
ことになり、turn down でボリュームを下げるという意味になります。

ここでシンプルに話すためのポイントですが、
「ラジオのボリュームを下げて欲しい」という日本語を英語にする場合、
「ボリューム」に相当する英語は省いても良いということです。

わざわざ turn down the volume などという言い方をしなくても、turn down
という短い表現だけで済むのです。


■歌を歌う
別の例ですが、「一緒に歌を歌おう」を丁寧に言えば次のようになります。
Let's sing a song together.

ここでよく考えてみてください。
sing という単語の中には、「歌う」という意味だけではなく、「歌を歌う」とい
う意味も含まれているのです。

従って、song を省くことができるのです。
Let's sing together.

かなりシンプルになりますよね。
自分の意志は、これだけで十分に伝わります。


■彼を信じない
もう一つ別の例をあげてみましょう。
「私は、彼の言うことを決して信じない」と言いたいとします。

「彼が言うこと」を直訳すると what he says ですが、実はそんな英語は不要
ないのです。 him という単語の中に「彼が言うこと」という意味が、含まれてい
るので。

したがってシンプルにした言い方は、次のようになります。
I never believe him.

何かすごく言い易いですよね!


■映画を見る
最後の例です。「映画を見に行こう」という場合は、どうなるでしょうか。

もう、おわかりと思いますが、to see は不要です。
「見る」という単語を省いても、「映画に行こう」と言えば、映画を見に行くと
いう意味が、当然含まれているからですね。

Let's go to the movies.

このように、基本的なやさしい単語の中には、学校で教えられた以上のいろい
ろな意味が含まれているものがあるのです。

時にはこういった目で、辞書を眺めてみるのも面白いですね。


2012年10月8日月曜日

◆文脈から類推できることは省いて話す

今日も無駄な部分を省いてシンプルに話す、という例をご紹介します。

■例1:見に下りて行く
2階の窓から下を見おろしている人がいて、庭にいる人に向かって、
「そこに犬をつないでおいてください。すぐに下に見に行きますから」
と言ったとします。

この文を直訳すると、次のようになります。
Leave your dog there, I'll be right down to see him.

しかしここでは、「見る」に当たる to see him は英語的に言うと省いても
良いフレーズになります。

犬を見るため下に下りていくのだということは、前半の部分に犬が出て
いるので、当然わかっていることだからです。

このフレーズは、余計な繰り返しになっています。
次の通りの文でOKなのです。
Leave your dog there, I'll be right down.


■例2:コーヒーの好み
次のような場合にも、英語は省かれて使われます。

お客さんにコーヒーを出すようなとき、日本では 「ミルクと砂糖はどう
しますか」と聞くのは普通です。

これを直訳すると、次のようになります。
Would you like cream and sugar in your coffee?

しかし、英語では次のように言う場合が多いです。
How do you like your coffee?

ミルクはどうか、砂糖はどうかなどと好みを強制はしません。
相手の意向を尊重して、いちいち細かく聞かなくて良いのです。

このような例からもわかるように、前後の関係から省略しても意味が通じ
るような場合には、思い切って省略しても良いのです。


■例3:スピーチの挨拶
日本人が会合などでスピーチをするときは、まずは司会の人がスピーチす
る人を紹介します。

そしてスピーチする人が紹介を受けたあとで、まずは
「ただいまを紹介にあずかりました○○でございます」
という決まり文句を言ってから、スピーチを始めます。

I am ~ who has had the honor of being introduced to you by the -.

しかしここでもダブった内容となっているのですね。
それは、スピーチをする人の名前です。

司会の人も名前を紹介し、そして本人も再び名前を言ってから話している
からです。

英語ではこのような場合、司会がスピーチする人の名前を出席者に告げた
のですから、それを受けて挨拶に立った人間は、改めて自分の名前を言う
ことはありません。

2回も同じ事を繰返して言う必要はないという発想です。
こういう場合、英語では次のような決まり文句を言うことが多いです。

Thank you, ~, for your kind introduction.

~には紹介してくれた人の名前を入れ、紹介してくれた人に対して、お礼
の言葉を言うのです。

とてもシンプルな言い方ですよね!

英語的発想の方が日本語的な発想よりも、より無駄が少なく合理的である
と言えますね。

2012年10月4日木曜日

◆ムダを取りシンプルに話す(2)

さて今回も「ムダを取りシンプルに話す」について、書きたいと思います。

前回の”意味合いの重複するものは省く”というポイントについて、もう少し
具体例を上げながら説明していきたいと思います。


■例1:濃霧
例えば次のような日本文があったとします。
「山で濃霧に出会ったときは、先へは進まないで、霧が晴れるまで気長に待
っているのが一番良い」


これを英語らしくアレンジしてムダを省いた英文にすると、次のような感じに
なります。

When you are overtaken by a dense fog in the mountains,
 the best thing to do is to stay where you are, and wait patiently
 until the fog clears away.

この英文をもとの日本文と比べてみると、かなり意訳されていることがわかり
ます。

特に日本語の「先へは進まないで」というフレーズは、全く省かれています。
また、「霧が晴れるまで気長に待つ」というフレーズも、英文では

to stay where you are, and wait patiently until fog clears away

となっています。このように to stay ということによって、
「先へは進まないで」に相当する to stop advancing は不要になります。

stay というのはそこにとどまることですから、「先に進むのを止める」という
当たり前のことは、くどくど重ねて言う必要はありません。

繰り返しますが、「先へは進まないで」は、stay の1語で表せるということ
です。


■例2:時計修理
もう一つ、例を上げてみます。

「時計の具合が悪いので修理してくる」
という内容を英語でいう場合、あなたはどう表現しますか?


ネイティブの人なら、つぎのような英文で言うのではないかと思います。

My watch needs some repair work.

あなたが考えていた英文と同じだったでしょうか?

もしも先ほどのような日本文から、このような簡潔な英語が引き出せたとした
ら、あなたは簡潔に話すコツを、かなりつかんでいると言えるでしょう。

「具合が悪い」は、言い換えれば「故障している」ということです。
それを多くの日本人は、英文の中に何とか織り込もうとするのですが、実は
その必要はないのです。

英語で some repair work といえば、「修理」のことを指します。
従って、この言葉だけで時計が故障していることは、十分相手に伝わるのです。