2012年10月4日木曜日

◆ムダを取りシンプルに話す(2)

さて今回も「ムダを取りシンプルに話す」について、書きたいと思います。

前回の”意味合いの重複するものは省く”というポイントについて、もう少し
具体例を上げながら説明していきたいと思います。


■例1:濃霧
例えば次のような日本文があったとします。
「山で濃霧に出会ったときは、先へは進まないで、霧が晴れるまで気長に待
っているのが一番良い」


これを英語らしくアレンジしてムダを省いた英文にすると、次のような感じに
なります。

When you are overtaken by a dense fog in the mountains,
 the best thing to do is to stay where you are, and wait patiently
 until the fog clears away.

この英文をもとの日本文と比べてみると、かなり意訳されていることがわかり
ます。

特に日本語の「先へは進まないで」というフレーズは、全く省かれています。
また、「霧が晴れるまで気長に待つ」というフレーズも、英文では

to stay where you are, and wait patiently until fog clears away

となっています。このように to stay ということによって、
「先へは進まないで」に相当する to stop advancing は不要になります。

stay というのはそこにとどまることですから、「先に進むのを止める」という
当たり前のことは、くどくど重ねて言う必要はありません。

繰り返しますが、「先へは進まないで」は、stay の1語で表せるということ
です。


■例2:時計修理
もう一つ、例を上げてみます。

「時計の具合が悪いので修理してくる」
という内容を英語でいう場合、あなたはどう表現しますか?


ネイティブの人なら、つぎのような英文で言うのではないかと思います。

My watch needs some repair work.

あなたが考えていた英文と同じだったでしょうか?

もしも先ほどのような日本文から、このような簡潔な英語が引き出せたとした
ら、あなたは簡潔に話すコツを、かなりつかんでいると言えるでしょう。

「具合が悪い」は、言い換えれば「故障している」ということです。
それを多くの日本人は、英文の中に何とか織り込もうとするのですが、実は
その必要はないのです。

英語で some repair work といえば、「修理」のことを指します。
従って、この言葉だけで時計が故障していることは、十分相手に伝わるのです。