2012年8月10日金曜日

◆アメリカ人と日本人の発想の違いによる主語選択の違い

このことは英会話をする上で、とても大事なポイントだと思います。
どういう単語を使うかとか、どういう構文を使うとか、文法はどうだ・・という
ことより以前の話です。


つまり、
日本人とアメリカ人の発想が違うため、使う主語が違う
ということです。


■一つの例
「自分の好きな仕事に就けなかったからといって、
                  すっかり悲観してしまうにはおよばない」

これはごく自然な日本語です。
これを英語で話す場合、あなたなら主語を何にしますか?

普通に考えると、
・たまたま学校を卒業して、就職した人に言うのでしたら、
  「you」を主語にするでしょうね。

・また自分を含めて、これから就職しようとする若い人たちに言うのなら、
  「we」が主語になるでしょう。

・あるいは、一般論として言おうとする場合にも、
  「you」を使うでしょう。


■英訳すると
そんなわけで、この日本語をこう話してみました。

You need not be disappointed just because you failed to get the job
that you had wanted.

ところが、この文を友人のネイティブに言ってもらったところ、全く違った文
になりました。

Just because I couldn't do the job I wanted to is no reason to give up hope.

Iを主語にして、英訳したのです!

日本語で言えば、
「私は自分の好きな仕事に就けなかったからといって、すっかり悲観してし
  まったりはしない」
というところです。


■重要なポイント
そして、注意して見るとすぐにわかると思いますが、
・ここでは難しい単語は一つも使われていません。

「悲観してしまうには及ばない」というところを、「希望をすべてあきらめ
る理由にはならない」と解釈して、うまく表現しています。

そして、最も大事な学ぶべきポイントは、
・主語が「I」になっている
ということです。


■日本人
これと同じ文章を何人かの日本人に翻訳してもらうと、
驚いたことに「I」を主語にして翻訳した人は一人もいませんでした。

例外なく「you」か「we」を主語にしていました。

日本人は、この文章の内容を個人的な意見でなく、一般論と考えているから
です。


■アメリカ人
ところがアメリカ人のネイティブは、この内容を自分自身の問題としてとらえ、
I」を主語にして文章を作ったのです。

(続く)