このことは英会話をする上で、とても大事なポイントだと思います。
どういう単語を使うかとか、どういう構文を使うとか、文法はどうだ・・という
ことより以前の話です。
つまり、
「日本人とアメリカ人の発想が違うため、使う主語が違う」
ということです。
■一つの例
「自分の好きな仕事に就けなかったからといって、
すっかり悲観してしまうにはおよばない」
これはごく自然な日本語です。
これを英語で話す場合、あなたなら主語を何にしますか?
普通に考えると、
・たまたま学校を卒業して、就職した人に言うのでしたら、
「you」を主語にするでしょうね。
・また自分を含めて、これから就職しようとする若い人たちに言うのなら、
「we」が主語になるでしょう。
・あるいは、一般論として言おうとする場合にも、
「you」を使うでしょう。
■英訳すると
そんなわけで、この日本語をこう話してみました。
You need not be disappointed just because you failed to get the job
that you had wanted.
ところが、この文を友人のネイティブに言ってもらったところ、全く違った文
になりました。
Just because I couldn't do the job I wanted to is no reason to give up hope.
「I」を主語にして、英訳したのです!
日本語で言えば、
「私は自分の好きな仕事に就けなかったからといって、すっかり悲観してし
まったりはしない」
というところです。
■重要なポイント
そして、注意して見るとすぐにわかると思いますが、
・ここでは難しい単語は一つも使われていません。
「悲観してしまうには及ばない」というところを、「希望をすべてあきらめ
る理由にはならない」と解釈して、うまく表現しています。
そして、最も大事な学ぶべきポイントは、
・主語が「I」になっている
ということです。
■日本人
これと同じ文章を何人かの日本人に翻訳してもらうと、
驚いたことに「I」を主語にして翻訳した人は一人もいませんでした。
例外なく「you」か「we」を主語にしていました。
日本人は、この文章の内容を個人的な意見でなく、一般論と考えているから
です。
■アメリカ人
ところがアメリカ人のネイティブは、この内容を自分自身の問題としてとらえ、
「I」を主語にして文章を作ったのです。
(続く)