まったく英語が話せなかった自分が、中年になってからあるきっかけで
勉強を再開し、そして
「俺は英語が話せるようになったんだ」
「英語が話せて良かった!」
と感じた瞬間が3回ありました。
1回目は、本当に英語で話したとき。
2回目は、海外で銀行のアカウントのクローズができたとき。
そして3回目は、オンライン英会話レッスンが苦しくなくなったとき
でした。
つまりその3回というのは、実際に英語を使う体験をすることで、自分
の会話レベルがアップしたと感じたときでした。
人それぞれ環境が違うので、同じ英語を話せるようになる過程であって
も、そのシチュエーションはまったく違うことが多いでしょう。
しかし、何をやってどういう体験をしたので、英語が少しずつ話せるよ
うになって行ったのか、何がそのときのポイントだったのかは、参考に
なるのではないかと思います。
昔のその頃を懐かしみながら、そのときのことを少し細かく書いてみた
いと思います。
■第1回目:ベトナム日本人クラブ編
かつて仕事の関係でベトナムへ派遣されたことがありました。
スポットの海外出張を別にすると、これが初めての海外長期間滞在でし
た。
そのときに一緒に仕事をすることになったリーダーは、かつてシンガポ
ールでの滞在経験があり、英語がスラスラ話せる人でした。
シンガポールで英語を覚え、シングリッシュが堪能になっていたのでし
た。
あるとき、夕方5時に仕事終わった後、「今晩、一緒に食事どう?」と
誘われて、二つ返事でついて行きました。行き先は日本料理店。
味付けが微妙に違うのですが、それはまさに日本料理の数々。久しぶり
に懐かしい日本料理をたべました。もちろんビールなどもたっぷり飲ん
でほろ酔い気分。
そして終りに近づくと、「さて、英語の練習に行くか?」と誘われまし
た。どういう意味かわからなかったので聞いてみると、日本人クラブに
行くとのこと。
そこでは女性スタッフが横に座って、話し相手になってくれるようです。
言葉は「ベトナム語」か「英語」、そしてほんの数人は「日本語」を話
せるようです。
そのリーダー曰く、英語の話せるスタッフを指名し英語の雑談をしなが
ら、英語の感覚を取り戻したいのだとのこと。
そして、
「君も練習したらどう?」
「ベトナムでは日本語は通用しないし、通じるのは英語だけ」
「この際、覚悟を決めて英語をやってみたら?」
・・と。
■さあ、出発!
そして・・・まっすぐその日本人クラブへ向かったのでした。
その店の名は「You」。どうも日本人が経営している店のようでした。
タクシーが店の前に到着すると、すぐにボーイさん?が出てきて、タク
シーのドアを開けてくれました。降りるとすぐに店のドアを開けてくれ
て奥の小部屋に案内されました。
店の雰囲気は少しうす暗くなっていて、ところどころスポットの照明で
部分的にボーっと明るくなっています。
落ち着いた雰囲気で、相手がムードたっぷりに見えるような演出になっ
ているようでした。
小部屋に入ると四角くソファが置かれていて、横に座った人と親しく
話ができ、そして他のソファに座ったメンバーとも会話ができるような
セッティングになっていました。
ソファに座るとすぐに数人の女性スタッフが入ってきて、順に紹介され
相手を指名しました。わたしは日本語が話せず英語が話せる人を確認し、
その人を選びました。
スタッフが横に座りいよいよ英会話です。
ずい分ドキドキしながら話していたのを覚えています。
「Nice to meet you. My name is ○○. Please call me △△.」
・
・
とまずはお互いに自己紹介。そして英語での雑談です。
■戦闘開始!
頭の中で文を組み立て、できたらそれを相手に話す。
相手が返答してきたら、聞き洩らさないよう必死に集中してその文を訳
して意味を掴む・・・ということを繰り返しました。
今考えると、本当に疲れるような緊張した会話だったと思います。
そしてお酒もまわり相手に対する警戒心もほぐれ、少しずつ会話もギク
シャク感が消えていきました。
「Where do you live now ?」
「How did you come here today ?」
「Hanoi is your hometown ?」
「What do you do on the weekend ?」
「Do you like driving your motor-bike ?」
・
・
別に先手必勝ではありませんが、会話が途切れて空白のシラーっとした
瞬間ができないよう、とにかく質問を繰り返していたのを覚えています。
相手はネイティブの英会話学校の先生ではないので、ずい分くだけた話
もしました。
「How old are you ?」を言ったのは、会話開始してすぐに聞きましたし、
「Do you have a boyfriend ?」など、少し突っ込んだ質問もしました。
相手のスタッフは大学出てすぐに方で、学校で英文科を選んだようで、
かなり発音も聞き易かったと思います。
会話の練習をするのなら、ノンネイティブの女性が気楽に会話ができて
本当に良かったと思いました。
だんだんくだけた話もするようになると、雰囲気も盛り上がってきます。
そうなると早いもので、あっという間に終了です。
正味50分程度の時間だったと思いますが、1対1でこんなに長く話し
たのは初めてでした。
このとき、自分で自分にすごく感動しながら、
「自分もついに英語が話せるようになった!」
「50分も1人で話し続けた・・」
「英語で海外の人と話すのは楽しい!」
と感じたのでした。
■きっかけになった海外生活
当時、ベトナムのハノイで何かをするにはベトナム語を話すか、英語を
話すかのどちらかでした。
ローカルの店や食堂、床屋などはベトナム語で、ホテルやレストラン、
スーパーマーケットなどは英語が通じました。
とにかく英語を少しでも話せるようになろうと考え、毎朝5分間基本文
の音読をしており、それがしっかり頭に入っていたから、今回の50分
の会話ができたのでした。
このときに本当に強く感じたことがあります。
「早朝5分の基本文音読、恐るべし!」
(続く)